医療リワーク | 職リハリワーク | 職場リワーク | 福祉サービスリワーク | |
---|---|---|---|---|
実施機関 | 医療機関 | 障害者職業センター | 企業内、EAPなど | 就労移行支援、自立訓練 |
費 用 | 健康保険 | 労働保険 | 企業負担 | 福祉サービス費 |
対 象 | 休職者 | 休職者・事業主 | 休職者 | 休職者 |
主な目的 | 精神科治療・再休職予防 | 支援プランに基づく支援 | 労働させてよいかの見極め | 支援プランに基づく支援 |
実施機関については、医療機関と障害者職業センターでのリワークプログラムが、広く知られています。
医療機関では休職者を対象に、精神科治療の一環として再休職を予防するプログラム等がおこなわれています。
障害者職業センターでは、休職者に加え、事業主からの相談も受け付けています。費用は労働保険となりますので、公務員の方は受けることができません。
プログラム終了までの期間は、4~6ヶ月程度です。プログラムの開始時期、期間、内容等は、個別に相談して設定されています。
上記二つの他に、職場でのリワークプログラムと、福祉サービスでのリワークプログラムがあります。
職場でのリワークプログラムは、企業内で自社の休職者を対象に、独自におこなうプログラムです。
私どもJSNが提供するのは、福祉サービスでのリワークプログラムです。実施機関はJSNのように就労移行支援をおこなう支援機関や、自立訓練をおこなう支援機関などです。費用は福祉サービス費でまかなわれます。利用手続きについては、お住まいの市区町村での申請が必要です。
JSNを含む福祉サービスの場合
世帯の収入状況 | 負担上限月額 | |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民非課税世帯※1 | 0円 |
一般1 |
市町村民税課税世帯(所得割16万未満)※2
※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム、ケアホーム利用者を除きます。※3 |
9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
JSNのリワークプログラムを受ける費用は、表の通り4つのケースがあります。
休職者の方は直近までお仕事をしていた方が多いので、「一般1」の区分に当てはまる方が多いです。上限額が9300円。一日辺りは1500円程度となります。
詳しくは市区町村の窓口にてご確認ください。
※1 3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
※2 収入が概ね670万円以下の世帯が対象になります。
※3 入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
まずはヒアリングをおこない、体調や状況を把握・整理します。その上で個々に合ったオリジナルプログラムを組み立てます。
プログラムに沿って支援をおこなう中で、特に「面談」を大事にしています。こまめに面談を実施し、雇用先企業との連絡や調整もJSNの支援員がおこないます。また、職場復帰に際しては主治医との連携も大切です。こちらもJSNの支援員が復帰に当たる医療の見解を伺い丁寧に職場復帰への橋渡しをおこないます。
プログラム内では「SPIS【エスピス】(就労定着支援システムSPIS)」というウェブ日報システムを使い、日々の体調や感じたことなどを記入していただきます。それらを通して自己理解を深めていただくと同時に、私たち支援員も体調や心身の揺らぎを把握し、より充実した支援をおこなっていきます。
いよいよ職場復帰の準備が整ったら、主治医や雇用先企業と調整し、お試し出勤(リハビリ出勤)を開始します。産業医が在籍する場合は、産業医との調整や意見交換もおこないます。この期間中も変わらず、こまめな面談を通して復帰への道のりを相談しながら進めていきます。
職場復帰を果たしたら、ここで支援が終了・・・というわけではありません。
復帰後も企業担当者との調整や職場訪問をこまめにおこない、状況の把握に努めます。こうした復帰後の手厚いフォローアップはJSNの支援の大きな特長の一つです。ご本人との定期的な面談を継続し、主治医との連携も引き続きおこないます。必要に応じて、ウェブ日報システム「SPIS」への記入を続けていただき、復帰後の気持ちや体調の変化を、支援者と共有。
長く働き続けるために全力でバックアップできる体制を整えています。
①睡眠時間と集中力の関係は?
②要注意!自己評価1点は「かなり不調」と見られます。
③「よかったところ」をきちんと自己評価できていますね。
-休職に至った背景を教えて下さい。
起きられなくなったり、体の震えなどの症状が出てきて、主治医に相談しました。私の特徴として「頑張りすぎるところがある」「色々と考え過ぎてしまう」面があり、ガソリンがなくなっているような状態であるとのこと。主治医を通して【JSN】を紹介していただきました。
-【JSN】に入所した際、どのようなことを目標に訓練を始めましたか?
まずは規則正しい生活です。服薬管理を怠らず、夜はちゃんと寝て朝起きる。三食きちんと食べる。また、毎日会社に通えるだけの体力を付け、気持ちを整えるということを大きな目標にしました。プラスアルファとして「コミュニケーションをしっかり取ること」を心がけて、訓練に臨みました。
-面談の頻度は?
基本的には週に1回。その他にも悩みがある時や、会社とのやり取りが必要な時などは、私からお願いして面談をしていただきました。また「なぜ休職に至るような症状が出たのか」という点について、“振り返り”をおこないました。辛かったですが深堀りしていくことで、「仕事を頑張りたいという気持ちが強すぎて、多くの業務を引き受けすぎた」ということや、「家でも色々と考えすぎてしまった」ということがわかりました。それらを踏まえて、復職後はどのように対処していくのが良いか、訓練の中で考えました。
-復職の際の面談では、職員とどのようなことを話しましたか?
会社には訓練内容を報告し、「復職しても大丈夫」ということを伝えたかったですし、職員さんからも「伝えたほうが良い」とアドバイスをいただきました。「復職後も一人で悩みを抱え込まず、報告・連絡・相談をおこなう」「上司に相談する」「業務を引き受けすぎず、一旦考えて期日等の相談をする」という点を話し合いました。私の場合は半年ほど通所し、復職することができました。
-【JSN】を利用して良かったことは?
「全員が同じ訓練ではない」ということです。所内訓練にある程度慣れてきたら、その人に合った訓練内容をさせてもらえる点が良かったです。私の例ですと、パソコン講座の資料作りから任せていただき、講師をさせていただいたこと。また、職員さんを上司に見立てて、複数の作業のスケジュール調整をするなど、実際の業務に近い形で訓練できたことがとても役に立ちました。
-職場復帰した後も【JSN】との関わりはありますか?
復職した後も「末永く働き続ける」ことを考えて半年間、継続して支援を受けていました。その後も国が定める就労定着支援制度利用し、引き続き【JSN】からの支援を受けています。具体的には月に一度、対面やオンラインでの面談をしていただいています。それ以外にも、調子の悪い時はすぐに連絡を入れ、サポートを受けています。
-復職後に気を付けておられることは?
毎日の体調を整えることを心がけています。単に気を付けているだけでは忘れてしまうので、【JSN】利用時から使用していたSPIS(就労定着支援システム)を使い、体調を毎日ウェブ上のシステムに記入して、モニタリングしています。それを【JSN】の職員さんが見て、睡眠や日々の調子を把握して下さっています。記録することによって、客観的に反省することができ、次の日に悪い感情を持ち越さないというメリットを実感しています。
-最後に、復職をしたいと考えている方たちに、メッセージをお願いします。
私自身、元気モリモリで定年まで働きたかったのですが、それはなかなか難しいことなのかもしれないな・・・と思うようになりました。身体的な病気や、私のようにメンタル面の不調を発症することがあります。誰にでも、いつでも起こり得ることですので、もしそうなった時は気楽に受け止めて、我慢せずに主治医や【JSN】のような支援機関に相談してほしいと思います。「うまくいかない時があっても、相談することもできるし、また安定して働くことができるよ」と伝えたいです。また、そのための制度があることも、知っていただきたいです。