JSNでは設立2年目の2008年から、発達障害者を対象とした就労支援を始めました。
当時は発達障害という言葉もまだ世間的な認知度が低い中、理事の精神科医のサポートを受けながら支援方法を模索し、スキルを磨いてきました。
現在は発達障害の大学生を対象とした「学生支援」にも力を入れ、幅広い活動をおこなっています。
2021年度の支援実績において、JSNでの訓練をおこなった後に就職された発達障害当事者の方を調査したところ、96.7%の方が働き続けておられることがわかりました。
これは大阪府内で約300ヶ所ある就労移行支援事業所の中でも、極めて特化した数字です。
JSNは理事のほとんどが精神科医。設立当初から「発達障害にある方への就労支援に力を入れていく」ことを念頭に置いて、活動を続けてきました。2010年からは西川瑞穂先生(かく・にしかわクリニック/現:JSN理事)のアドバイスを受け、事例検討や研修会などを定期的におこないながら、支援スキルを磨いています。
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JSNには8名の心理職スタッフ(臨床心理士・公認心理師)が在籍。
知能検査や職業適性検査を数多く実施しています。
知能検査(WAIS-Ⅳ)は主治医から依頼を受けて実施し、フィードバックとして主治医に所見をお渡ししています。 所見はJSNの強みである「働く」ことについての助言を反映した内容となります。
職業適性検査は学生やJSN訓練生を対象に実施しています。
前者のケースでは、障害学生支援室やキャリアセンターから依頼により実施します。 フィードバック時は学生(ご本人)と依頼元のご担当者の方も同席して頂き、 学生生活や就職活動の中で活用できる所見を返却しています。
※職業適性検査に関してはリモートによる実施実績もあります。
これまでに8つの大学(2014年末時点)にて、独自に学生支援のプログラムを実施。発達障害特性や、日常生活の中でメンタル不調やコミュケーション等で困り感のある学生を対象に、SSTや認知再構成などをテーマに講座をおこない、インターンシップの機会を提供して参りました。
そのほか、大学のキャリアセンターがおこなう障害者雇用セミナーにて相談を受けたり、ご本人と保護者の方を対象とした相談会を開催。
兵庫教育大学大学院 人間発達教育専攻 臨床心理学コース 准教授
NPO法人大阪精神障害者就労支援ネットワーク(JSN) 嘱託主任(兼務)
JSN茨木、JSN新大阪アネックス、JSN地域・企業連携事業部において、就労支援員、主任を歴任。JSN在職中に発達障害のある方の就労支援に関する実践、研究も手掛ける。在籍中に博士号を取得。後に現職に至る。
兵庫教育大学大学院では産業分野、福祉分野の心理的支援を主に担当。研究室では精神障害・発達障害のある方への就労支援・定着支援・大学在籍時の社会移行支援に関する実践研究をおこなう。産業・福祉分野で活躍する人材を多数輩出。JSNにおいては発達障害支援事業とJSN研究所の運営をおこなっている。
■取得資格