第6回JSN理事長 西浦竹彦の「一心歩走」

第6回JSN理事長 西浦竹彦の「一心歩走」
広報誌「熱人」54号掲載(2023年11月発行)

【JSN】の文化と強みを
次世代に引き継いでいく

前回の取材を終えた後、コロナが5類に移行されました。さまざまなイベントも復活しつつあり、オンラインよりもリアルで人と会う機会も増えてきました。【JSN】も一段とギアを上げ、就労支援・企業支援に取り組んでいく所存です。
プライベートでは今年11月開催の淀川市民マラソンにエントリーしたという西浦理事長。久しぶりのハーフマラソンを完走するため、腹筋ローラーも購入して減量中!
公私ともに秋の大阪を駆け抜けます。

(株)ダイキンサンライズ摂津
30周年式典にて感じたこと

(株)ダイキンサンライズ摂津30周年式典にて感じたこと

-【JSN】はこの6月に設立16周年を迎えました。

その約ひと月前、(株)ダイキンサンライズ摂津さんの創設30周年記念式典に出席しました。【JSN】の理事を務めて下さっている渋谷社長をはじめ、大変お世話になっている應武前社長や後藤前工場長が登壇してお話しされていました。十数名の障害者雇用からスタートし、現在は約200名の障害者が活躍されています。大きな希望を感じる式典でした。

-【JSN】からの卒業生も就職しています。

障害者の社員がほとんどで、健常者は十数名のみの会社です。なかなか業績が上がらず苦労したというお話もされていたのですが、登壇した方々が皆、明るい。僕らのいる医療や福祉の世界は、ともすれば眉間にしわを寄せて「働くしんどさに寄り添う」ことがあります。しかし、企業とは本来、とても明るくてクリエイティブな現場であることを実感しました。そして、その雰囲気は「人」が作っているんだなぁと。

-最初は「短時間しか働けない」と言っていた実習生が、後藤工場長(当時)に励まされ、出勤できるようになり、そのまま就職。重要なポジションを任されるようにまで成長したという話を聞いたことがあります。

単なるスパルタではなく、「丁寧に声をかけることでその人が仕事を続けられることにつながる」ということもあるそうです。そんな企業文化が引き継がれていることがすばらしいと思います。特例子会社としての在り方も、企業の側は社会的使命として、雇用率を順守するための方策として設立する事情もあると思います。が、ダイキンさんはそうではない。本社にとって必要な存在として、理念を持って設立しているからこそ、30年経った今の姿があるのだと思います。

困った時に相談できる
人と人が支え合える仕組みを

困った時に相談できる人と人が支え合える仕組みを

-一方で、障害者雇用を謳った新手のビジネスも存在しています。

貸農園などの形態で企業と契約し、障害者雇用を事実上代行するようなビジネスが広がっています。これも障害者雇用率を達成するための手段の一つですが、就労を目指す当事者の思いとは一致しないこともあるようです。そうした事業所の農作物が、市場に出ることなく処分されることもあると聞きますが、それでやり甲斐につながるでしょうか。

-悲しいことです。

以前、ある特例子会社に就職した方が、自分の作った野菜を診察室に持ってきてくれたことがありました。彼は「この野菜がレストランやスーパーでお客さんの口に入るんです」と誇らしげに話してくれました。障害者の方とともに実りある人生を目指す。こうした志をもった会社や事業所など、雇用現場の方々と連携していきたいと、強く考えています。

-コロナが5類になったことで、動けることも増えてきそうですね。

就労支援の分野は、コロナ禍の中で停滞していたと思います。しかし【JSN】は、実習や就労の実績も落ちることはなく、上向いています。コロナを理由に在宅訓練にしたり、電話だけで1日の支援を完了している事業所もあると聞きました。そのせいでモチベーションが下がり、家に閉じこもってしまうようになった当事者は多いと思います。

-コロナ下では「実習先の開拓や、企業に同行しての支援は苦労した」と、【JSN】のスタッフが話していました。

その創意工夫がこれから生きてくると思います。今後、コロナ禍の3年間で培った力量が問われ、【JSN】の強みが出てくると確信しています。そのためにも、スタッフが安心して働ける環境を整えていきたいと思います。困った時に助けてもらえる。相談できる。人と人が支え合える仕組みを構築し、(株)ダイキンサンライズ摂津さんのように、創り上げてきた人たちのエネルギーを、次世代に引き継いでいきたいです。