第7回JSN理事長 西浦竹彦の「一心歩走」
【JSN】で働くスタッフに
学びの機会を増やしたい
今年度は【JSN】内のスタッフ向け研修にて、精神科の先生によるセミナーが二度、開催されました。理事の多くが精神科医という強みを生かし、今後も各先生方から直接教えてもらう機会がほしい。そんなスタッフからの声が多く聞かれ、とても有意義な研修となりました。また、西浦理事長自身も、労働大学校でのハローワークの職員向け研修会において講師を務めました。行政・医療・福祉の連携について、さまざまなことを感じたこの秋。淀川市民マラソンも見事完走されたそうです!
理事の先生方が
各専門分野をレクチャー
-昨年11月には淀川市民マラソン<ハーフの部>完走されたとか。
【JSN】のスタッフ、地域のクリニックや訪問看護ステーションのスタッフ達と、計6名で挑戦しました。半年前からトレーニングを開始し、直近の2~3ヶ月は皆で大阪城の外周を走り込んだりもしました。一人で走るよりも断然、楽しかったです。
-どのような内容が共通していましたか?
「【JSN】をもっと色んな人に知ってもらいたいので、理事会でも協力してほしい」という声や、「理事の方から直接教えてもらう機会がほしい」という希望が共通していました。
-8月には理事の西川瑞穂先生が「神経発達症について」。10月には三家英彦先生が「トラウマケアについて」をテーマに、研修セミナーを開催して下さいました。
理事のほとんどが精神科医というのは【JSN】の大きな特徴の一つ。各先生の専門分野もそれぞれ異なるため、「もっと学びたい」という声が各事業所から上がってきました。スタッフの皆さんは、【JSN】で働くことは大変だけど勉強になる、と思っているのだと実感しました。そういう機会を今後増やしていきたいです。(株)ダイキンサンライズ摂津の澁谷社長にも、ぜひ企業の立場からお話ししていただきたいと考えています。
行政・医療・福祉がつながり
当事者を支える仕組みを
-西浦先生ご自身が講演する機会も増えています。
一昨年に引き続き、昨秋、労働大学校で研修の講師を務めさせていただきました。対象はハローワークの専門援助部門で働く職員の方々。全国から約100名が、前後半に分かれて4日間の研修をおこないます。僕は最終日に、精神障害の方の支援に関する事例研究を担当しました。
-どのような内容ですか?
事前に職員さんたちから「対応に困っているケース」を出してもらい、その中から五つを選んで事例検討会をおこないました。3時間以上かけてみっちり話し合うのですが、とても充実した時間でした。ハローワークの窓口で、こんな難しい事例と向き合っているんだ・・・と実感しました。すごく熱心に利用者さんのことを考えており、自分たちは「最後の砦」であるとおっしゃっていました。
-最前線で当事者の方々を支える。とても覚悟のいるお仕事です。
一方で、精神障害に関する専門的な研修もほとんどないままに窓口に立っておられる職員さんも多く、医療とのつながりも少ない。もう少し医療側の力を借りる機会や、他機関とのつながりで支えてもらう仕組みが必要だと感じました。
-行政・医療・福祉のつながりが、もっと深まるといいですね。
【JSN】のスタッフは通院同行を通して主治医と直接話し、確認を取ったりすることができます。主治医の意見書についても、わかりづらい部分があれば通院同行し、患者さんの前で確認するのが一番いい。患者さんと主治医のやり取りを聞いていると、書類だけを見るよりもわかってくることが沢山あります。
-「この利用者さんはもう少し背中を押しても大丈夫そうだな」とか。
今は通院同行を断る先生は少ないと思います。同行するのは労力も必要ですが、そのほうが支援もしやすくなると思います。医療機関、特に医師への相談はハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。個人情報の問題もあり、あくまでも当事者の方の同意の上ですが、就労に向けた取り組みに主治医やクリニックのスタッフが協力して下さることは大きな力になります。支援者からそうした声掛けをしていくことが大事だと思います。