第9回JSN理事長 西浦竹彦の「一心歩走」
【JSN】18年目に突入
持続可能な組織を考える
今年6月に17周年を迎えた【JSN】。コロナ禍という嵐を乗り切り、法人内でも新プロジェクトが生まれるなど、新たな気持ちでの18年目がスタートしています。
大きく成長した【JSN】という組織を持続可能なものとしていくために、今、何が必要なのか?
その先に利用者さんとスタッフの「希望」を見据え、西浦理事長は日々、走り続けます!
スタッフ一人ひとりが
希望を持って働ける環境を
-6月。理事会の総会と、スタッフ全員が参加する「決起パーティー」が開催されました。
お陰様で安定した運営ができており、次なる「3ヶ年計画」に向けて、新しい方向性を皆で共有することができました。キーワードとしては「働きやすい職場」、つまり【JSN】のスタッフ一人ひとりが、希望を持って働ける環境を整えていきたいということを、事業方針の中に組み込んでいます。
-3年前、理事長に就任した際もそのようなことを話しておられました。
小さな事業所からスタートした【JSN】が、17年かけて支援の幅を広げ、層も厚くなり、大きな組織となりました。そうなると「組織の縦の関係が強くなり、横のつながりが薄くなって個人が大事にされない」ということが起こり得ます。困った時に相談できる環境を、事業所の枠を超えて作っていきたい。これまでは枝葉をどんどん広げてきましたが、これからは幹の部分、つまり中身もしっかり固めていきたいと考えています。
-たしかに【JSN】が持続可能な組織でない限り、利用者さんを支援し続けることはできません。
支援の仕事とは、時に当事者のしんどさを引き受けてしまうことがあります。いわゆる「感情労働」と言われるように、スタッフの精神的な負担も通常の仕事よりは大きい。そういった仕事を長く続けていくためには、風通しの良い職場環境を整えていくことが重要です。また、「働きながら学べる、成長できる職場」であることも大事にしていきたいです。【JSN】を選んで入職するスタッフは、元々やる気があり熱心な人たち。彼らが「ここで働くことで良い未来が待っている」と思えるような職場でないと、組織として長続きすることはできません。
医療と連携した支援は
【JSN】の大きな強み
-「成長できる職場」であるために、昨年度は理事や親交の深い先生方による研修会も開催されました。
理事の先生方の知見は、【JSN】の大きな強みの一つです。今後もそういった機会を増やしていきたいです。その中で一つ考えているのは、【JSN】独自のリワーク(復職)支援プログラムを確立することです。
-リワーク支援は昨今、さまざまな障害福祉サービスで提供されています。
だからこそ【JSN】でしか提供できない質の高いプログラムを形にしたいと考えています。例えば、医療デイケアのリワークプログラムを実施している精神科医に協力を得てアドバイスを頂くなど、スタッフがさらに知見を得る機会があれば、とも考えています。
-これまでに【JSN】が就労支援で培ってきた手厚い支援も、リワーク支援の上では強みとなります。
就労後のフォローや、企業に対するアドバイス。また、主治医との連携など、【JSN】ならではの技を生かしたリワーク支援を整理し確立していきたい。「質が担保されたリワークプログラム」であることを示していきたいです。
-医療と連携した支援は、【JSN】にしかできないことです。
先日、僕の母校である大阪公立大学の、精神神経学教室の先生方の前で講演をさせて頂きました。わかりやすく言えば同門の精神科医の勉強会の場なのですが、そこで「就労支援」や「リカバリー」をテーマに話をしたところ、とても新鮮に感じて頂けたようです。特に若い先生方にとっては、【JSN】のような活動をおこなっている法人は馴染みが薄かったようで、とても興味を持って下さいました。
-その後すぐ、【JSN】に見学に来て下さいました。
嬉しいことですよね。ただ、まだまだ精神科の先生方には知られていないんだな、と痛感しました。たしかに就労支援は医学教育の中で学ぶ機会がほとんどありません。しかし【JSN】を知ることで、「この患者さんは支援を受けたら働けるんじゃないか」など想像してもらえたのではないかと思います。もっと【JSN】のことを先生方に知ってもらうために、機会があればどんどん出て行って話をしていきたいな、と思いました。