第10回JSN理事長 西浦竹彦の「一心歩走」

第10回JSN理事長 西浦竹彦の「一心歩走」

リワーク(復職)も就労も
真面目な支援を続けたい

2025年1月。【JSN】ではリワーク支援をさらに有意義なものとするため、理事の杉山先生にアドバイスを仰ぎながら、ブラッシュアップを図っています。精神科医が中心となり設立した【JSN】の強みを生かし、「支援があれば働ける」ことをより多くの人に伝えたい。西浦理事長が外に出て、企業やさまざまな場所で講演をおこなう機会も増えました。

リワーク支援の内容を
理事の杉山先生が監修

リワーク支援の内容を理事の杉山先生が監修

-【JSN】はリワーク(復職)支援にさらに充実させるべく、理事の杉山博通先生(杉山診療所院長)をアドバイザーとして迎え、この2月に研修会を開催して頂くことになりました。

お陰様で安定した運営ができており、次なる「3ヶ年計画」に向けて、新しい方向性を皆で共有することができました。キーワードとしては「働きやすい職場」、つまり【JSN】のスタッフ一人ひとりが、希望を持って働ける環境を整えていきたいということを、事業方針の中に組み込んでいます。

-リワーク支援は通所型の障害福祉サービスでもおこなわれています。

障害福祉サービスには、医療の専門家を配置する義務はありません。【JSN】のような就労移行支援機関もそこに含まれますが、病気や障害を経験して休職を余儀なくされた方が回復していくためには、単に「プログラムがあればよい」というわけではなく、治療的な視点が不可欠です。たとえば支援の現場風景を単に写真に撮ったとします。それを見ただけでは、治療している場所か訓練をしている場所か、判断することはできません。しかしその場にいるスタッフが当事者に対して、どんなアセスメントをし、働きかけや声かけをおこなっているかで、中身は大きく異なります。ですから【JSN】は、杉山先生にリワーク支援を監修して頂き、より有意義なプログラムを提供すべく尽力しています。

-有意義なリワーク支援ができれば、本人さんのみならず、企業にも貢献することができます。

本人さんから信頼され、社員のことを本当に考えている企業にも信頼される。そんな支援ができたらと考えています。企業担当者が社員のことを一生懸命考える機会を増やし、変な話ですが「【JSN】にリワーク支援を頼んだら面倒くさいで」と企業に思われるくらい、真面目な支援をしたい。復職できない人をふるい分けるような訓練はしたくない。回復して、職場に戻って社会で生きていけるように支援することが、【JSN】の本分です。

社会参加を促すだけでなく
回復を助ける仕事

社会参加を促すだけでなく回復を助ける仕事

-【JSN】が支援することで企業文化を変えていきたい、とも考えています。

企業の考え方が変わることで、これまでは切り捨てられていた人が、働き続けることができる。そんなケースを我々はこれまでに沢山経験してきています。「社員にリワーク支援を受けて復帰してもらいたい」という企業の熱意に、応えられるような支援をする。【JSN】の社会的な使命であると思っています。

-先日、(株)ダイキンサンライズ摂津さんにて講演をされたと伺っています。

大阪障害者雇用支援ネットワークが主催された交流会で、障害者雇用や定着支援に携わる方々と意見交換をさせて頂きました。約30名の参加者は企業の方がほとんどでした。企業の方と接する機会は少ないので、貴重な場となりました。

-具体的にどのような内容をお話しされましたか?

【JSN】が創立した2007年には、精神・発達障害のある方は社会参加が難しいと言われてきましたが、現在は彼らをどんどん雇用していく時代になっています。【JSN】は時代に先駆けて就労支援をおこない、実績も上げてきました。我々の立場から見ると、患者さんが就労して働き続けることは病気の回復にもつながっています。先ほどのリワークの話もそうですが、つまり【JSN】がおこなっている支援は、単に社会参加を促すだけでなく、回復を助ける仕事でもある・・・という話をしました。

-最近、外部で講演する機会がとても増えています。

「支援があれば働ける」ということを伝えたい。どうしても【JSN】の自画自賛になってしまう面はあるのですが、本人さんにとってより良い支援を選んで頂きたいと願っています。

-最後にプライベートな話題です。昨年11月に淀川市民ハーフマラソンに参加されたとのこと。完走、おめでとうございます!

これまでに何度か完走しているのですが、今回は一番悲惨でした(笑)。両足が痙攣して、足を引き摺りながらなんとかゴールしました。原因は練習が足りず、減量もできていなかったし水分も取っていなかったこと。準備不足だったと反省しています。でも今年もまた走りますよ!