2018年6月5日

灰谷健次郎

「兎の目」「天の瞳」「風の耳たぶ」「海の図」は亡き灰谷健次郎氏の小説の中で特に好きな作品である。

貧しい家に生まれ育ち、教師になるも兄の自殺や母親の死に直面し、心を病み教師を辞め小説家になる。病の回復のキッカケが沖縄の自然と人であると著書から知るが、その頃から私の沖縄(島)への興味が始まったのではないかと思う。30代前半、仕事が面白くなく、大阪を離れて島暮らしをしたくてシマダスという本(日本の離島の情報誌)を読んで、真面目に島暮らしを考えていた時期があった。
灰谷氏は都会から淡路島、渡嘉敷島に移り住み生活していた時の様子を「島で暮らす」に書いているのだが、実際にどんな所で生活しているのかを知りたくて、旅行がてら探しに出かけ、数少ない情報で淡路島の家を見つけた時には、かなり嬉しかったのを思い出す。最近、渡嘉敷島の人に灰谷氏の生活ぶりやざっくばらんな人柄の話しを聞く機会があり、一度ゆっくり話しを聞きたかったなあと思う。若かりし頃に灰谷氏の講演を聞きに行ったことがあり「大人が子供に絶対に優れないものは感受性である」と話されていたことが記憶に残っている。
灰谷氏は児童文学作家として、地域の文化や子供と社会環境の関わりを、子供目線で書かれている作品も多く、たくさんの気付きと大切にしなければならないことを思いださせてくれると共に、読み終わった時に優しい気持ちにさせてくれるものばかりである。
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JSN

金塚たかし