第5回JSN理事長 西浦竹彦の「一心歩走」

第5回JSN理事長 西浦竹彦の「一心歩走」
広報誌 「熱人」53号掲載(2023年7月発行)

行政からの信頼を得て
地域に貢献する新たな使命

行政からの信頼を得て地域に貢献する新たな使命

【JSN】では法人設立以来、初めて入社式を開催。面接時はマスク姿であった新職員も、マスクを外して西浦理事長と記念撮影をしました。人と人とのリアルなコミュニケーションが復活してきていることを実感する今日この頃。【JSN】がコロナ禍の3年間で試行錯誤してきた支援の成果が、さまざまな形で表れてくると確信しています。

大精診との共催セミナー
医療・企業・福祉が一堂に会する

大精診との共催セミナー医療・企業・福祉が一堂に会する

-【JSN茨木】が4月1日より移転。「茨木市立障害者就労支援センター かしの木園」を市の指定管理者として運営することになりました。

行政から委託を受けた就労支援のためのセンターです。【JSN】にしかできない支援を、地域の中で提供していく形になります。これまでは「利用者に貢献する」という使命をまっとうしてきました。その活動が認められ、茨木市からの信頼を受けて「地域に貢献する」という大きな舞台を与えていただきました。スタッフにとっても、張り合いがあることだと思います。

-二つ目のニュースとしては、5月13日に、(社)大阪精神科診療所協会(以下:大精診)と【JSN】の共催セミナーが開催されました。

昨年に引き続き、「精神障害者の働くを考える~それぞれの立場から~」というテーマで開催いたしました。企業・行政・医療機関、それぞれのお立場の方にご講演いただきました。就労支援は多分野の方々が立場を超えて連携し、取り組むべき課題です。しかしながら、業界ごとにおこなう勉強会はあっても、ジャンルの違う他分野の方の声を聞く機会は、めったにないのが現状です。特に「医療機関とは連携がしにくい」と感じておられる企業の方は多いのではないでしょうか。

-手応えはいかがでしたか?

お陰様で沢山の方が参加して下さり、とても好評でした。そもそもの発端は、大精診の会長である堤先生から「【JSN】とコラボして勉強会をしよう」とお声掛けいただいたことがきっかけです。こういう集まりを大事にしていきたいですし、今後は東京でも開催したいと考えています。

コロナ禍3年間の手厚い支援が
今後の成果に表れてくる

コロナ禍3年間の手厚い支援が今後の成果に表れてくる

-4月6日には【JSN】初の入社式がおこなわれました。

パートさんを含め、今年は15名が一気に入職しました。これだけの数が春に入ってくるのは初めてのことで、入社式を開催しようということになりました。社会人経験のある方が多く、元ホテルマンや営業職など前職もさまざま。臆することなく特技をアピールしてくれる方が多くてびっくりしました。医療・福祉分野の経験者は2名のみ。最初は覚えることが沢山あるでしょうが、将来的にはこれまでの経験が生きてくる日が来ます。その時まで粘り強く、がんばってほしい。【JSN】に新しい風が吹くことが、とても楽しみですね。

-そして西浦理事長も、この3月にご自身のクリニックを開院されました。

ショートケアルーム「木川亭」

仕事を一から作っていく面白さを実感しています。この部屋はショートケアルーム「木川亭」として使っているのですが、ネーミングも家具のチョイスもスタッフのアイデア。「家からなかなか出る気持ちになれない」という方が対象で、午前中に通っていただき、生活リズムを整えたり、人と話したりして、ステップアップするための通過点になってほしい。そこからお仕事に行けるようになったり、【JSN】に通いたいと思えるようになってもらえれば、とても嬉しいですね。

-コロナが5類になり、人の流れも変わってきそうです。

この3年間、働き方などが大きく変わりました。「引きこもっていて楽になった」と言う人が、実は孤独感を感じているというケースもあり、良し悪しを一言で決めることはできません。就労支援も在宅訓練が可能になったことで、便利な一面がある一方、本人の様子をちゃんと把握せずに、電話だけで支援を済ませている事業所もあると聞きます。コロナ後の就労支援を考えた時に、社会とのつながりを意識してしっかり支援してきた事業所と、そうでないところの差は明確に出てくると思います。手厚い支援を続けてきた【JSN】にとっては、その成果が今後表れてくるのではないでしょうか。