第14回JSN理事長 西浦竹彦の「一心歩走」

2026年6月10日

【JSN】の理事会が担う
三つの役割

この春より、副理事長に西川瑞穂先生(かく・にしかわ診療所)が就任しました。
西川先生には以前から理事として、【JSN】の発達障害支援部門を中心に勉強会などで職員をご指導いただいています。また【JSN】の発足以来、副理事長を務めて下さっていた三家先生も、今後は理事として変わらず我々を見守って下さいます。

-他に理事会での動きはありますか?

【JSN東京】をサポートして下さる精神科の医師が必要と考えています。現在、新たな理事として参画していただけるよう、調整中です。

-頼もしいですね。改めて【JSN】における理事の役割とは?

三つあります。一つ目は「運営上のチェック機能」です。日々の運営に理事会が口出しすることはありません。が、事務局側から提案された大事な案件については、理事会で諮っています。精神科医の理事のみならず、澁谷社長(株式会社ダイキンサンライズ摂津)のように企業側の視点で意見を下さる理事もいます。二つ目は【JSN】をもっと知ってもらう「普及・啓発」の役割。【JSN】は大阪精神科診療所協会(以下:大精診)に所属する精神科医が中心となって立ち上げた法人ですが、大精診には毎年10〜20名ほどの若い先生方が、新たに会員として参加されています。また大精診以外の医師や医療者の皆さんにも、もっと【JSN】のことや就労支援の可能性を知ってもらいたい。それをPRしていくのも、我々の役目です。

-多くの先生方に関心を持っていただけると嬉しいです。

患者さんが「働きたい」と望んだ時に、就労支援を行っている事業所をネットで検索してみると、本当にたくさんの事業所が出てきます。でもその中でどれを選べばいいのか、どのような支援をしているのかはわからない。実際に患者さんが見学などで訪ねてみて、ガッカリすることがあるんです。すべての事業所が当てはまるわけではないのですが、支援の質には差があるのが実状です。そんな時に「【JSN】を活用して下さい」と伝えていけたらと思います。

-支援の質。

はい。理事会の三つ目の役割は「支援の質を守り高める」ことです。多くの専門性をもつ理事たちが、現場へのアドバイザーとしての役割、また勉強会での助言や指導を担って下さっています。今後も理事による研修などを、充実させていきたいです。

リワーク支援の強化と
早期就労プログラム

-この6月に【JSN】は19周年を迎えます。

新年度からは新しい取り組みも始まります。まずは【JSN新大阪アネックス】がリワーク(復職)を専門とした事業所になります。それに伴い、これまで担っていた事務訓練の機能は【JSN新大阪】に移管します。【JSN】が長年培ってきた就労支援のノウハウは、リワーク支援にも必ず役に立ちます。医療や企業との連携を含め、質の高い支援ができると自負しています。

-リワーク支援のアドバイザーは、理事の杉山先生(杉山診療所)です。

リワーク支援は、メンタル不調という課題を持ちながら復職を目指す取り組みです。つまり、リワークは「治療的な場」でないといけません。杉山先生は自身のクリニックでもリワーク支援を手厚く実践しておられますし、先生のおっしゃる「リワークは集団精神療法」というエッセンスは、【JSN】での支援においてもとても役に立つと思います。

-他に新年度からの動きはありますか?

早期に就労するためのプログラムを準備中です。これまでは【JSN】にある程度の期間、通所してから企業実習に行き、時間をかけて就職する形のみを提供していました。が、人によっては所内訓練を短縮し、早期の実習から就職につなげるほうが向いている方もおられます。例えば引きこもりなどで「通所は難しいけれど仕事には就きたい」という方に対しては、実際の職場で訓練する機会を提供する、という新しい形です。

-選択肢が増えますね。

ただ、支援者同士の連携がないと、職場に早く出すことは難しい。そのため、最初は限定的な実施を想定しています。将来的に個別性に沿った選択肢が広がれば、より多くの当事者が就労への希望を持てるようになると考えています。