2025年5月22日
初診難民
先日のJSN理事会で「初診難民」という言葉を知った。
医療機関での初診「(最初の診察)を希望するが、診察してもらえない人が多くいるらしい。特に精神科領域で顕著のようで、いくつもの医療機関で診察を断られた。初診を受け付けてもらったが診察までに数か月かかるケースもあるようだ。
地域によっては精神科医が少ないという現状もあるのだろうし、制度的な問題も関係しているよう。ここでもコロナの影響があるようで受け入れ制限や診療制限を設けた医療機関も多くあり、初診の予約枠が減ったようである。また、遠隔診療が進む一方で「初診は対面のみ」というルールが壁になっていることもあるらしい。JSNの理事である精神科医は月に数十人の新患を診ているそうだ。その時に「転院難民」という現状もある事も知った。
厚労省「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」第6回で公表された「精神科診療所の機能に関する調査」(速報値)において予約外初診について触れられている。
精神科診療所において「精神保健福祉士」の配置割合は31,3%(常勤)しかない。看護師53%(常勤)、公認心理師28,1%(常勤)となっている。
この調査をされた「国立精神・神経医療研究センター」の藤井先生によると、コメディカルスタッフ数が多いほど、予約外初診を受ける傾向が高い。また、医師の数は予約外初診の受け入れにあまり影響しないとしている。
この調査には診療業務以外の地域貢献についての具体的な報告もあるが、その幅の広さには驚かされる。JSNの理事であり精神科診療所の医師達も地域においていろんな役割を担っており、地域で障害のある人達を包括的に支える仕組みの大きな一コマになっているのであろう。