JSN金塚事務局長のわくわくワーク JSN金塚事務局長のわくわくワーク
2025年11月9日

ダスキン愛の輪基金

「ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣」の面接選考会に参加。この事業の実行委員として、10数年前から関わっている

公益財団法人 ダスキン愛の輪基金

私が参画させていただいた当時の海外研修の応募者のほとんどは身体障害の方々であった。しかしここ数年、精神、発達障害の方々の応募が増えてきて、先日の書類選考では約半分の方々が精神、発達障害の方々であった。学びのテーマは、福祉施策やバリアフリー環境、スポーツ、音楽、芸術、就労など、多岐にわたっている。参加者は学生から社会人まで幅広く、それぞれが関心のあるテーマに応じた学びの場を選び自身で選択して、最長1年間をかけて海外での生活と共に、実践的な体験を積でこられる。

現地に足を運び肌で感じること。本や映像ではなく、風や匂い、人に触れて、人と話して、実際の環境を見て感じる事の大事さを、この会議に参加すると痛感すると共に、彼ら彼女らから勇気をもらう。

海外派遣する数名を決める面接会は、いつも当事者より私の方がドキドキしている。

2025年11月7日

慣れない事②

オンライン会議が当たり前の文化となり、今では現地に足を運ぶことなく、全国各地の仲間たちと顔を合わせて打ち合わせができるようになった。移動の時間も費用もかからず、どこにいても情報を共有できるこの仕組みは、本当に便利なツールとして急速に広がっている。
しかし、その便利さの裏で、どうしても「慣れないな」と感じることがある。特に研修。以前なら、同じ空間に集まり、相手の表情や空気感を感じながら進めていた研修も、今ではオンライン研修も当たり前になった。

けれど、パソコンの画面に向かって60分、90分と話し続けるのは、どうにも慣れない。相手の反応が伝わりづらく、ふとした瞬間に「自分はいったい何をしているんだろう」と思ってしまうことさえある。
それでも時代の流れに合わせ、少しずつ自分なりのやり方を模索しながら、オンラインという新しい形に順応していくしかないんやろうけど。慣れないことが多いからこそ、そこに新しい発見や成長の機会があるのかもしれないと思いながら・・・

2025年10月24日

八戸集合

今月は毎週どこかに出張が続いているが、先日、大阪障害者雇用支援ネットワークの代表と一緒に、青森県八戸市で開催された「障害者雇用促進セミナー」に参加してきた。
青森を訪れるのは今回で二度目。最初は2年前、「働く広場」の取材で初めて八戸を訪れたのだが、それまでは正直、青森といえば新幹線で“北海道へ行く途中の通過点”くらいの印象。だからこそ、再び訪れることができたのはとてもうれしい。

ちょうど今回のセミナーとタイミングを合わせるように、「障害者問題全国交流会IN青森」も開催されていて、全国各地から続々と集結。福島、滋賀、大阪など、それぞれの地域で頑張っている仲間たちと八戸に集合。
地元の障害者就業・生活支援センター「みなと・みさわ」のスタッフの方々がいろいろと準備をいただき、みんなで話が弾み同窓会のような賑やかさ。

そして八戸といえば、やっぱり外せないのが“横丁文化”。市内には個性豊かな横丁がいくつもあり、その中でも特に有名なのが「みろく横丁」。夜の帳が下りるころ、小さな提灯の灯りが通りを照らし、人の笑い声や香ばしい匂いが漂います。
私たちもその雰囲気に誘われて、地元の人たちと肩を並べながら、美味しい料理と楽しい時間を存分に味わった。

短い滞在でしたが、八戸の温かさと人のつながりに心が満たされる時間になった。
片道6時間だけど、また、この街に帰ってきたい。そう思える夜になった。

2025年10月18日

慣れない事①

先日、西浦理事長と一緒に、JSNの紹介動画を撮影する機会があった。普段は会議室や現場で話すことが多いが、今回はなんと屋外ロケ! 青空の下、カメラを前にして話すという、ちょっとした非日常体験だった。

ただ、いざカメラが向けられると、これが想像以上に緊張する。言葉が詰まったり、目線が泳いだり、手の置き場に困ったり…。
SNS
で堂々とカメラの前でダンスやパフォーマンスを披露している若者たちには、本当に脱帽。彼らの度胸と笑顔、あれは才能やと思う。

撮影場所は川沿いで、「なんだか情熱大陸みたいだね(笑)」なんて冗談を交わしながらの撮影だった。
でも、プロのカメラマンとディレクターに囲まれると、急に背筋がピンと伸びてしまう。まるで本物のタレントになった気分で、緊張とワクワクが入り混じった不思議な時間だった。

完成した動画は、近々リリースされる予定です。どんな仕上がりになっているか、正直ちょっと怖いけれど(笑)、ぜひ笑って見ていただけたら嬉しいです!

2025年10月14日

J法会

当法人では、年に数回、全スタッフが一堂に会するJSN法人会議を開催している。今回の会議では、法人がスタートして間もない頃に立ち上げた機関誌『熱人』をテーマに取り上げた。

特別ゲストとして、『熱人』の創刊号(0号)から関わり続けてくださっているライターの太田さんにもご参加いただいた。太田さんは、私たち法人に非常に近しい立場でありながら、常に一歩引いた視点から全体を見つめ、客観的かつ温かみのある言葉でJSNについて語ってくれた。その発言は、スタッフ一人ひとりに新たな刺激と気づきを与えてくれたと思っている。

『熱人』は単なる機関誌ではなく、私たち法人の歩みそのものであり、また対人援助の基本や理念が凝縮された貴重な記録でもある。私自身も、ある時期、悩みに直面した際、『熱人』の創刊号から全てを読み返した経験がある。そのとき、記事の中に散りばめられた多くのヒントや先人たちの熱意に触れ、前に進む力を得ることができた。

今後も『熱人』を通じて法人の理念を再確認し、現場での実践に結びつけていきたいと強く感じた会議となった。

2025年9月29日

合理的配慮

地域精神保健福祉機構・コンボが発行している「こころの元気+」の9月号「合理的配慮って何」 特集7「配慮と差別の違いや線引き」というテーマで執筆させてもらった。2025年9月号 合理的配慮って何?(223号)電子版 | COMHBO地域精神保健福祉機構

合理的配慮という考え方が法に明文化されてから、すでに10年近い年月が経った。その間、障害者雇用においては多くの企業が制度や仕組みを整え、働きやすい環境づくりに取り組んでこられた。実際に、勤務時間の柔軟化や職場環境の調整、ITツールの導入など、目に見える形で合理的配慮が進んできたことは大きな前進といえます。

しかしながら、一方で「配慮はするけれど、その後は本人の努力に任せる」という姿勢にとどまってしまっている企業も少なくないと感じている。確かに配慮は必要不可欠であるが、それだけでは従業員一人ひとりの能力を十分に引き出すことは難しく、組織にとっての「戦力化」にはつながりにくいはず。

その人の特性を生かし、プロになる為にコーチングする必要があります。その為には管理職のマネージメント能力が従業員の成長に大きく左右する。

仕事の負担軽減だけではなく、力を発揮でき環境であり、チーム全体でサポートしあう文化を育てる事が必要。役割と責任を明確にし、評価するしくみが従業員の成長とやりがいにつながる事になる。

合理的配慮を「入り口」として、そこからさらに「活躍の場」を広げていくことが、これからの組織に求められる課題だと思う。

2025年9月21日

言葉

京都大学白眉センターの鈴木俊貴 特定助教がシジュウカラの鳴き声を長年にわたり研究した結果、20以上の単語を用い、それらを組み合わせて意思伝達していることを発見しらしい。これは「動物が言葉を話している」ことを証明した世界初の研究であるらしいと雑誌で取り上げられていた。

「動物言語学」という新しい分野で、特に日本の野鳥・シジュウカラを対象に「動物は言葉を持つのか」を研究してきたらしい。 シジュウカラは鳴き声(単語)を使い分けているらしい

 「ピーツピーツ」=タカなど空からの脅威を発見した合図
 「ジャッジャッ」=ヘビや哺乳類など地上の脅威を発見した合図
 「チチッ」=仲間を呼ぶ合図
 「ヒーヒー」=仲間を集めて行動する合図

 シジュウカラは単語を並べ替えることで意味を変えることもできるらしい。

「ピーツピーツ」+「チチッ」=「空の敵がいるから仲間を呼べ」
 逆に順番を入れ替えて「チチッ」+「ピーツピーツ」とすると、仲間は反応を示さないらしく、単語の順序によって意味が変わる=文法のような構造があることがわかったらしい。

人間界には多様な言葉がある。言葉は単なる「情報の伝達手段」だけでなく、人間は漠然とした感覚や感情を明確に表現したりする。喜びや悲しみを伝え合い、協力したり共感したりできるのは、言葉の力のおかげである。しかし、同じ言葉でも解釈の違いから衝突につながる事もあるし、真実を隠して事実とは違う事を伝える事も出来る。言葉の選び方、伝え方で人間に豊かな生活を送る事が可能になるが、一方で誤解や対立の原因になる「諸刃の剣」である。

2025年9月15日

相手から学ぶ(人が育つ環境・人を育てる環境)

30代の初め頃、障害者雇用に取り組んでいる中小企業の社長と、ある集まりのあと一献交える事になった。というか当時はその社長と対峙して飲むなんて・・・怖くて、怖くて、いつも社長の席から離れた席に座っていた。

お酒が進み少し酔いが回ってきたとき、社長がふいに「なぁ金塚、人が育つ環境、育てる環境って、どんな環境かわかるか?」「……」頭の中で答えを探すが、明確な言葉が出てこない。

社長は一刀両断「そんなこともわからんと、就労支援やっとるんか!」

振り返れば、その頃の私は「直接支援」にばかり目を向けていた。目の前の人への関わりや助言は懸命にやっていたが、「環境づくり」という間接的な支援について、深く考えたことがなかったのかもしれない。

その夜を境に、私の支援の視点は大きく変わったと思う。
職場のルール作り、育成プログラム、評価制度、フィードバックの方法。そうした「人を取り巻く環境」こそが、成長を促すきっかけになると。

今では、企業の人と話す機会があれば「育つ環境、育てる環境」をどう思いますか?と投げかけている。「一緒に汗を流すことの大切さ」「現場の声を反映したルール作り」「人に合わせた配慮の仕組み」…企業によって考え方はさまざまだが、その一つひとつに学びがある。

気がつけば、それは私にとって視野を広げる貴重な時間であり、同時にとても楽しい時間でもある。あの夜、社長に投げかけられた一言は、今も支援者としての私の中に深く根を下ろしている。

「人」という「環境」に触れて変化した自分。まだまだ刺激ある「人」に出会っていきたい。

ちなみに今では怖い社長とは2人で定期的に飲みに行っている。飲みすぎて記憶が飛んでいる事も多い(笑) しかし、よく飲み、よくしゃべり、よく笑いで楽しみの場になっている!!

 

2025年9月8日

相手から学ぶ(理解してくれるかもしれない)

「月に2、3万円くらいもらえればいいんです。」
シュウポツ時代のエピソード。新しく相談に訪れた20歳そこそこの若い男性に「お給料はいくらくらい欲しいですか?」と尋ねたとき返ってきた答えだった。

正直、二十歳で月に2万円?生活はどうするのだろうか。違和感を覚えたがその場では深く追及せず、相談を重ねながら関係を築いていった。彼はやがて企業実習に参加することになった。

実習が始まってしばらく経ったある日、休憩時間に彼がぽつりと話し出した。
「今まで就職しても、なかなか長続きしなかったんです。そのたびに、お母さんがとても落ち込んで…。それを見るのが本当に辛くて…。だから、せめて月に2、3万円くらいの負担で済む仕事なら、無理せず続けられるんじゃないかって思ったんです。」

その言葉に、胸の奥が熱くなった。
本当は彼だって、もっとお給料が欲しい。欲しい物だって、やりたいことだって、きっとたくさんある。それでも、「辞めて母親を悲しませるくらいなら」と、自分の望みを小さく見せていたのだ。

そのとき改めて気づかされた。私たちの前に来る人は、最初からすべてを打ち明けるわけではない。信頼が生まれた瞬間、初めて心の奥底にある本音や悩みが顔を出す。こちらが相手を理解するのではなく、相手が「理解してくれるかもしれない」と思える存在になること。それが支援の出発点なのだと。

 

2025年8月31日

病と疾患の違い

ドラマ「19番目のカルテ」の中で、主人公のドクターが「病と疾患の違いがわかっていない」と口にする場面がある。最初は部下のドクターもその意味をすぐに理解できない。しかし、患者の話をじっくりと聴く中で、その言葉が少しずつ腑に落ちていく。
ここで示される「疾患」と「病」の違い。疾患とは、医学的に診断される病気そのものを指している。一方で「病」とは、疾患がもたらす生活のしづらさや苦しみ、さらには社会の中で生きるうえで直面する困難を意味している。つまり、同じ疾患を抱えていても、生活環境や人間関係によって「病」の形は大きく変わってくる。

これは私たちの就労支援にもそのまま当てはまる。統合失調症を発症した人が、精神疾患そのものだけでなく、社会の中で受ける差別や偏見によって「働きたくても働けない」という現実に直面することがある。結果として経済的に困窮し、生活が不安定になり、時には基本的人権すら守られない状況に追い込まれてしまう。

私たちが担う就労支援は、単に「仕事を斡旋するサービス」ではない。働くことは人の生活の一部であり、同時に人生に深く関わる営みである。そのため、疾患だけを見て支援していても、本当の意味での解決にはつながらない。その人が抱える生活全体の課題や想いを理解し、「まるっと」その人の人生を支える視点を持つことが欠かせない。

就労支援とは、疾患に縛られた「病」を少しでも軽くし、その人が社会の一員として自分らしく生きられるように伴走する営みなのだといえる。