働く選択
誰かに聞いたのか、何かで読んだのかは思い出せないが、仕事を続けるためには「お金」「仕事内容」「人間関係」のいずれか一つでも満足していれば良い、という話を聞いたことがある。この言葉には、働く上での本質が詰まっているように思う。すべてに満足するのは理想だが、現実にはなかなか難しい。だからこそ自分にとって一番大切にしたいものを明確にすることが、長く働き続ける鍵になるのでは。
現代では「働き方の多様性」が広く認知され、フルタイム勤務、フリーランス、リモートワーク、副業など、さまざまなスタイルが受け入れられるようになってきた。そんな時代だからこそ、「自分は何を大切にして働きたいのか」という価値観を見つめ直すことがより一層重要になってきているように思う。
しかし、何か一つの価値観や条件に固執してしまうと、周囲が見えなくなったり、選択肢を狭めてしまったりすることがある。たとえば「収入」に囚われ過ぎると、本来自分がやりたかったことや人との関わりの大切さを忘れてしまうかもしれない。逆に「人間関係」だけを重視しすぎると、自分のキャリアやスキルアップの機会を見逃すこともあるかも。
だからこそ、自分の価値観を柔軟に見直しながら、バランスよく働くことが大切だと思う。人生のステージや環境に応じて、何に重きを置くのかは変わっていくもの。その都度、自分の心の声に耳を傾けてみることが、後悔のない働き方につながるのだと思う。
私はこれまで、自分の進む道を選ぶ上で、常に「仕事内容」そのものを最も重視してきた。それは、給与や人間関係といった一般的な判断基準とは異なり、「自分が本当に価値を感じる仕事」「やりがいを感じられる環境」であるかどうかが、何より大切だと考えてきた。
これまでの職歴を振り返ると、児童養護施設から始まり、特別養護老人ホーム、知的障害者通所授産施設、障害者就業生活支援センター、さらには事務局、通勤寮、そしてJSNと、実に多様な施設で勤務してきた。それに伴い、所属する法人も外郭団体から社会福祉法人、さらにはNPO法人へと変化してきた。
一見すると頻繁な転職のように見えるかもしれないですが、私にとっては一貫した判断基準があった。目の前にある仕事が、自分にとって「やりがいがあるか?おもしろいか?」であるかどうかが大きかった。
今、これまでの選択は決して間違っていなかったと考えている。そしてどの仕事にも、その時々でしか味わえない学びと成長があったし、多くの人との出会いが私の物語を豊かにしてくれた。これからも、「仕事内容」という自分の軸を大事にしながら、残りの就労人生を楽しみたいと考えている。
