JSN金塚事務局長のわくわくワーク JSN金塚事務局長のわくわくワーク
2025年6月19日

児童養護施設

ある勉強会で児童養護施設の話題が出たとき、20代前半の自分を思い出した。あの頃、住み込みで児童養護施設の先生(その当時、先生と呼んでいた)として働いており、日々子どもたちと向き合っていた(ただただ遊んでたかな)。

現在の児童養護施設に入所している子どもたちの事情や、施設を取り巻く環境については詳しくないが、当時、私が接していた子どもたちは、経済的な困窮から親が育児を続けられなくなったり、突然親が失踪してしまったりと、厳しい家庭環境の中でやむなく施設に入所してくるケースが多かったように記憶している。

施設は「大舎制」と呼ばれる形態で、5~6人の子どもたちが1つの部屋で生活していた。私が担当していたのは中高生の男子グループで、思春期ならではの揺れ動く感情にどのように接するか悩んでいた。彼らと私とは、わずか数歳しか年が離れていなかったため、私にとっても「大人」として毅然とした態度を保つことは簡単なことではなかった。ときには感情を爆発させて怒りをぶつけてくる子もいれば、逆に心を閉ざして全く話そうとしない子もおり、その対応に頭を悩ませたことも多々あった。

それでも、子どもたちと過ごした時間にはかけがえのない思い出もたくさん。夏の旅行で肝試しをしたり、運動会に参加したり、泊りの日に宿直室で夢を語ってくれる子供たちの話を聞くのはとても楽しかった。小さな笑顔や、真剣な顔で相談してくれる姿が私を支えてくれていたように思う。

あの時代はまだ社会全体に「施設育ち」への偏見も根強く、子どもたちは進学や就職に不安を抱えることも少なくなかった。支援体制も今ほど整っておらず、「施設を出た後の人生」は、彼らにはとても大きな挑戦だった。

今になって振り返ると、自分の未熟さを痛感すると同時に、あの時一緒に過ごした子どもたちが、どんな大人になっているのか・・・元気でいて欲しい!