ネガからポジへ
笑顔が素敵な店員さんにワカメおろし蕎麦を注文をしたが、 ワカメを切らしてしまっていたので他のトッピングを選んで欲しいと戻って来た。今度はナメコを選んで待っていたら、程なくして先ほどの店員さんがひと回り小さくなったように見えるほど恐縮してやってきた。
「本当にすみません、実はナメコも切らしてしまっていました。
さすがに『ううっ』と思わずにはいられないが、しようがないなぁと思っておろし蕎麦を食べていると、「これお店の人気商品なんです。よろしければどうぞ」と、 牛煮込みのミニ丼を持ってきてくれたのだが、これが非常においしく、一口目から引き込まれるような味わい。夢中で食べ進めていると、再び店員さんが、
「よろしければこのカレーをかけてカレー蕎麦も試してください」と言ってミニカレーまで持ってきてくれた。
どちらかと言えば小食な私はかなりがんばって食べながら、『また来よう』と心に決めた。
この店は立て続けに2つのネガティブを引き起こしながらも、大きなポジティブに変換させた。
おそらく最初からすんなりワカメおろし蕎麦が出てきていたら、看板メニューの牛煮込み丼に出会えることもなく、 記憶の隅に追いやられていた店だったであろう。
私たちの日々は失敗の連続である。殊に仕事の上ではその影響を考えると泣き出したくなる時もある。
それでいい。失敗せずにそつなくこなしてばかりでは得られる達成感はないに等しい。
失敗のリカバリーの仕方こそが問われるのだ。
すべての働いている人たちへ
失敗したら誠意を携えて立ち上がれ。できれば素敵な笑顔とセットで。